戦争の負の遺産?

雑記

大阪府との県境にある奈良県香芝市に行ってきました。目的は新第三系の二上層群の火砕岩類を見ることでした。その報告は別にしてそこで見てきた,旧日本陸軍の指揮所用の地下壕の紹介です。1945年6月から終戦(8月)までの2か月で掘ったそうです。使用には間に合わなかったようですが,火砕岩を掘っています。縦横に掘られた地下壕だそうですが,私が見たのは西壕と呼ばれる3つの入り口です。床面には水が少し溜まっており長靴があれば入れるようです。キャップライトや長靴は持っていましたが 一人きりでしたので中に入るのはやめました。いくつか出入り口があるようで,東側の壕は京都大学の防災研究所付属地震予知研究センター屯鶴峯どんずるぼう観測所として使用されているそうです。

屯鶴峯西壕
屯鶴峯西壕 側壁

そういえば,岐阜県瑞浪市にも地下トンネルがありますね。戦時中の地下工場で捕虜となった人たちを使って作業をしていたそうです。ここも縦横に掘られていたようで,私が高校生の頃,届を出して一つのトンネルで化石採集をした覚えがあります。多くはふさがれていますが,名古屋大学の地震観測に利用されているところもあります。土地伸縮計や水管傾斜計が置かれているのを案内していただいたことがあります。瑞浪化石博物館の入り口の左下にも地下壕の跡がありますね。

瑞浪 名古屋大学地震研究所
瑞浪化石博物館下 地下壕入口
瑞浪 名古屋大学地震研究所 土地伸縮計

私が見たものの一つに松代の大本営移転予定地跡の壕があります。太平洋戦争末期に日本の中枢機能を移転するため,現在の長野市松代地区に象山,舞鶴山,皆神山の3箇所が掘削されました。象山ぞうざん地下壕の一部(約500m)や舞鶴山地下壕跡に建つ気象庁地震観測所や天皇御座所(外からガラス越しに)などが見学できました。現在は職員の常駐がなくなって地震観測所内は見られないようです。近くに群発地震で有名だった皆神山がみえます。

象山地下壕内部 ヘルメットを貸してくれました
地震観測所内の展示室 W-A型地震計
舞鶴山地下壕跡の案内板

ウッドアンダーソン地震計(2800倍)は,マグニチュードを決めるもととなった地震計です。アメリカの地震学者リヒターが,ウッド・アンダーソン型地震計の最大振幅 (単位:μm)を震央からの距離100 kmのところの値に換算したものの常用対数をマグニチュードとしました。地震波の振幅が10倍大きくなるごとに,マグニチュードは1ずつあがります。現在はモーメントマグニチュードがよく使われます。

フランスで見た戦争遺産?を二つ紹介します。
一つは,フランスの英仏海峡に面したエトルタで見たチョーク層の崖につくられたトーチカです。崖の中腹にはコンクリートでふさがれたトーチカ跡?もありました。もう一つは,ノルマンディー上陸作戦で有名なノルマンディの海岸に残る船?の残骸です。海岸に面した崖の上には旧ドイツ軍のトーチカがいくつか残っています。

エトルタ
ノルマンディ

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