記事

岐阜県の美濃加茂~可児周辺の中村層 その1

岐阜県美濃加茂市と可児市の境を流れる木曽川河原には主に瑞浪層群中村層がみられます。太田橋付近の中村層中には,脈状岩石が見られます。2020年,その成因に熱水流体の存在が提唱されました。さらに,2023年に樹幹化石の林床から,ウリノキモドキという熱帯性の植物の仲間の葉ばかりが集まっているのが報告され話題を呼んでいます。
会報

なごやの大地を学ぶ会会報(no.39) 20240215

愛知県の大半を占める基盤岩類は領家帯と呼ばれます。白亜紀の花崗岩類と,それによって広域の高温低圧型(接触)変成作用を被った領域です。領家花崗岩は新期花崗岩と古期花崗岩に分けられてきましたが,両者に大差はなく,その年代は 85~100Ma に収まり,変成年代もこの範囲にあると考えられています。花崗岩類には,花崗岩,花崗閃緑岩,トーナル岩が見られます。愛知県内の領家変成岩には,変成温度の分布が南北で非対称という特徴があります。
雑記

我が家の庭の花 ウメと実の毒

自宅の庭に梅の花が咲いていました。青梅には毒があったような記憶を思い出して少し調べてみました。
会報

なごやの大地を学ぶ会会報(no.38)

同じ時代や同じような特徴を持つ岩体を区分して名づけることがあります。愛知県では,南から,秩父帯,三波川帯,領家帯,美濃帯に分けられます。美濃帯はまとめて,丹波-美帯-足尾帯と呼ぶことが増えています。秩父帯は丹波-美濃帯と一連のものという考えがあります。領家帯は,美濃帯の岩石が変成を受けた部分で,北側は徐々に丹波-美濃帯に移り変わっていきます。三波川帯と四万十帯(北帯)は一連のものかもしれません。
記事

“牛川人”の化石

2024年1月24日の新聞に“牛川人”の記事が載ってました。1957年と1959年に豊橋市牛川町の鉱山から1片ずつ見つかった骨で,当時は「国内最古の人骨」として,日本史の教科書にも掲載されました。2001年ころから人骨ではないと指摘されていましたが,2022年頃からクマの化石と考えられるようになりました。
会報

なごやの大地を学ぶ会会報(no.37)

時間はインフレーション*(ビッグバン)からはじまったといわれます。暦に関わるものとして「時」があります。三次元生物である人間は時間を感知できませんので天体を目印にして利用してきました。現在はより正確な「時」を目指して研究が進んでいます。うるう秒の停止,「1秒」の新しい定義などが検討されています。
会報

なごやの大地を学ぶ会会報no.36    2024/1/1

今号は「暦」の話です。今年はうるう年です。暦は主に農業のためにつくられました。最初の暦は 1 年が 10 か月で,残りの 2 か月は農業ができないため日にちがなかったそうです。また,暦は,為政者にとって支配の正当性を示すための重要な行為でもありました。
記事

知多の地層を見てきました

南知多町内海の北には大きな露頭が連続しているのが見られます。その丘陵の頂部が平らに削られているところがあります。師崎層群内海層の最上部とその上に載る豊丘層の不整合部分です。豊丘層の最下部が取り残されている様子が見られます。連続露頭に近づくと師崎層群内海層の砂岩泥岩互層がよく見られます。
会報

なごやの大地を学ぶ会会報(no.35)

新生代は哺乳類の繁栄した時代です。哺乳類は単孔類を除くと,有袋類と有胎盤類に分かれます。哺乳類は母体内で子どもを成⾧させてから産み落とす方法を獲得しました。一回に産まれる子供の数は減りましたが,子の生存率は上がりました。単孔類は卵で産みますが,有袋類は子どもを未熟児で産んで,その後,腹にある袋に移して育てます。人類は地球以外の天体にも進出し,その形態も変化する予測がされています。
資料

資料016 新潟県新津周辺の石油井・オイルサンドの露頭見学

新潟市秋葉区(新津地域)では,明治以前から原油採取が試みられており,明治末には産油量日本一でした。現在,その遺構群は,「石油の里公園」として整備されています。金津層の砂岩泥岩互層の露頭では,含油層となっている砂岩層も見ることができます。また,新津油田発祥の地と伝わる油井も見学できます。最近では、石炭・石油はともに植物に由来する堆積性の有機物が主な根源物質であるとする考えが有力です。