御岳山に行ってきました。中腹以上は紅葉の季節は終わっていますが,山麓一帯はとてもきれいでした。御岳には何回か行っていますが,御岳ロープウェイ側からは初めてです。あいにく山頂には雲がかかり積雪も見られます。あと二日でロープウェイは今シーズンの営業が終わり(今日11月6日),さらに運営企業が撤退するため,再開のめどが立っていないようです。以前から8年前の噴火の火山灰を採りに行けないか考えていましたが,ロープウェイの下側の駅も上側の駅(飯森高原駅)付近もそれらしいものは何も残っていませんでした(このあたりは2014年9月の噴火の際の火山灰分布の主軸方向にあたります)。歩道わきの茶褐色の土を採取してきましたが,火山岩片(変質岩片?)などがほとんどで,火山ガラスは見られません。風化を受けた自形の結晶の鉱物がわずかに見られました(図1)。もちろん噴出時期はわかりません。御岳山は9~8万年前から活動を再開した活火山です。産総研地質調査総合センターの5万分の1地質図「木曽福島」によれば,御岳ロープウェイ付近は7~6万年前に活動した金剛堂火山噴出物で安山岩質の溶岩や火砕流堆積物からなるようです。飯森高原駅では玄武岩に似た暗灰色の安山岩が見られます(図2)。
三岳まで下りて,湯川橋を渡ったところの対岸に大きな露頭が見られます(図3)。上部は礫層,砂層などからなり,遠目で見ても成層しているのがわかります。清越層と呼ばれる流紋岩-デイサイト質の砕屑物からなる河成砂礫層です。下部は崩れによる堆積物かもしれませんが真っ白に見え,清越層の下部に分布する流紋岩軽石流堆積物(大洞軽石流堆積物)かもしれません。この露頭のすぐそばには美濃帯の堆積岩が分布しているようです。近づけなかったのが残念でした。
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