雑記025 東山植物園に行ってきました

雑記

地層見学がてら,名古屋市の東山植物園に行ってきました。12月17日で紅葉には遅いかなと思いましたが,暖冬のためかまだ見ることができました。

例によって植物の名前は自信がありませんが,いくつか紹介します。温室内はとても暑かったです。

図1 奥池付近の紅葉風景
図2 イロハモミジ

図2はイロハモミジ( Acer palmatum)で単にもみじともいわれます。ムクロジ科カエデ属の落葉高木です。葉が手のひらのように5 ~ 7つに裂けており,この裂片を「いろはにほへと」と数えたことに由来するといわれます。 樹皮は淡い灰褐色で,成木では縦に筋が入るそうですが,この木はなめらかで若木と思われます。紅葉の代表格です。

図3 オスモキシロン リネアレ
図4 ウナヅキヒメフヨウ

図3はオスモキシロン リネアレ Osmoxylon lineareで,ウコギ科オスモキシロン属です。小さな花弁のない雌花が咲き,果実が見えてくるころ雄花が伸びて咲き出すそうです。ギリシャ語で「香り」という意味のosmeと,「木材」という意味のxylonの複合語で,一部の種が木のような匂いを発することに由来しているいます。種小名のlineareには「線状の」といった意味があり,細く深く5裂した細長い葉からきています。黒い球は果実(液果えきか)です。液果は,果皮の一部が多肉質または液質(つまり果肉)となる果実の総称です。
図4はウナヅキヒメフヨウ Malvaviscus arboreus cv.で,ウナヅキヒメフヨウ  のピンクの品種です。ハイビスカスの仲間で,赤色のものもあります。つぼみのときは上向きで,だんだん下向きになることからウナヅキ(頷き)の名がつけられました。外に突き出しているのは雄しべで,花びらに隠れて見えませんが,雌しべは雄しべのすぐ下にあります。花びらはこれ以上開きません。熱帯アメリカ原産です。

図5 ザボン
図6 ツワブキ

図5はザボン Citrus maximaで,ブンタン(文旦)などいろいろな名でよばれます。柑橘類の一種で,原生地は東南アジア・中国南部・台湾などといわれます。柑橘類の中では最も大きく,国内では高知県産が有名です。
図6はツワブキFarfugium japonicumで,キク科ツワブキ属に属する常緑の多年草です。フキを小型にしたような形ですが,フキと異なり,葉柄に穴は空いていません。葉の表面は濃緑色でつやがあり,基部が大きく左右に張り出して,全体で円の形に近くなる腎臓形です。特有の香りがあります。若い葉柄(軸)は食用になるそうです。

図7 トクサ
図8 アロエ・アンドンゲンシス

図7はトクサEquisetum hyemaleで,大葉植物門トクサ亜綱トクサ科トクサ属の植物です。砥草,木賊とも書かれます。表皮細胞の細胞壁にプラントオパールと呼ばれるケイ酸が蓄積しており,硬く,砥石のように茎でものを研ぐことができることから,砥草と呼ばれます。昔は茎を煮て乾燥したものを研磨の用途に用いたそうです。緑色の茎は触るとザラついた感じがして,引っ張ると節で抜けます。節の部分にはギザギザのはかま状のものがあって,これが葉に相当します。 茎の断面は中空となっています。石炭紀の化石植物のロボク(蘆木:Calamitesカラミテス)などと関係があることも知られています。また,スギナEquisetum arvenseも,トクサ属の植物の1種で,地上で見られる茎(地上茎)には胞子茎と栄養茎の2種類があります。胞子茎は暗褐色で,胞子をくための体で一般にはツクシ(土筆)と呼ばれます。後から出る栄養茎は緑色で,光合成により栄養分を生産する役割を担っており,一般にスギナと呼ばれます。
図8はアロエ・アンドンゲンシス Aloe andongensisで,ススキノキ科ツルボラン亜科アロエ属の植物です。アフリカのアンゴラ原産で,葉の色が明るい緑なのが特徴です。花は紡錘形の房がつき,先端 が黄色がかったオレンジです。葉のエキスはメラニン生成抑制物質があり,化粧品にも使われているようです。アロエはユリ科からススキノキ科に変更されています。 アロエは数多くの薬効成分を含んでおり,昔から「医者いらず」ともよばれ,漢方薬として使われていたことがあります。アロエは高い抗酸化作用のあるSODと呼ばれる酵素など,数多くの薬効成分を含んでいるようです。ただし,写真のアンドンゲンシス種にどの程度の薬効成分を含んでいるのかは知りません。

図9 コンクリート製の「恐竜」
図10 コンクリート製の「恐竜」

図9・図10は古くから動物園側にある「恐竜」です。以前は池のようになっていた気がします。壊すような話もあったようですが,現在は東側を大きく整備しています。

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