雑記023 大正村で見た理科の教科書

雑記

出かけたついでに岐阜県恵那市明智町の大正村へ寄りました。数回以上,訪れていますので特に珍しいものはありませんでしたが,古い教科書の展示が目を引きました。

図1 明治末~大正時代の昆虫学と植物の教科書
図2 昭和30年の小学校2年の理科教科書

展示は大正村資料館にされていました。他教科のものも展示されていましたが,理科教科書が一番少ない感じです。図1は明治40年,大正10年の昆虫教科書と植物教科書です。このように教科書が別れていたのに驚きました。帰宅してから,理科教育の歴史について少し調べてみました。「理科」という教科ができたのは,明治19年の小学校令によるものだそうです。その第8条に目的が書かれていますが素敵なものだと感じました。要点を抜粋すると,「児童ノ目撃シ得ル事実ヲ授ケ」,「人生ニ対スル関係ノ大要ヲ理会(理解)セシメ」「農業工業其他人民ノ生活上ニ適切ナル事項ヲ授ケ」とあります。これが次第に「修身」,「歴史」,「国語」などに時間を取られていき,理科の時間は減少していったようです。その後,第一次世界大戦後の理科教育革新運動によって,理科の必要性が少し見直されたようです。そういえば,宇宙開発で出遅れた(スプートニクショック)アメリカの理科教育振興政策の影響を受けて日本でも少し見直しがされたのかもしれませんが,理数科教員の手当てが少し他教科教員より良かった時期がありましたね。今度は「詰め込み教育」や「おちこぼれ」問題が起き,その反動で1977年からの,「ゆとり教育」が始まります。1992年度に小学校1・2年の理科が廃止されます。1998年にさらに理科の授業時間数は減少しますが,こんどは学力低下が問題になってきます。こうして揺れ動きながら歴史がつくられていくのでしょうね。

周辺で見た花を2つ紹介します。名前は自信がありません。

図3 ノコンギク?
図4 メランポジウム?

参考
https://core.ac.uk/download/pdf/230762414.pdf
https://www.p.u-tokyo.ac.jp/lab/ichikawa/johoka/2008/Group1/kaiteimatome.htm

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