記事028 愛岐トンネル群の地層

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愛岐トンネル群は,かつての国鉄中央線の高蔵寺~多治見間にあったトンネル群です。公開時はいつもにぎわっていることもあって敬遠していたところなのですが,思い立って行ってきました。子供のころは毎年,夏に中央線に乗っていましたので何度も通っていたのですが,当時は蒸気機関車でトンネルに入ると急いで窓を閉めないと顔がススだらけになる思い出だけです。
庄内川の名前は愛知県内で使われ,岐阜県に入ると土岐川と呼ばれます。以前は各地域ごとに,名前が使われ,玉野川,勝川,枇杷島川,番場川,一色川など呼ばれたようです。この地域は比較的古い(=硬い)地層からできており川幅が狭くなって峡谷(玉野峡谷)をつくっています(図1)。庄内川が平野に出る手前にあたります。城嶺橋しろがねばし近くの山頂から名古屋城がみえたことから名づけられたそうです)付近からは河原に降りることができ,美濃帯の砂岩がちな地層や大きな転石が近くで観察できます(図2)。名古屋付近の地層はほぼ水平に近い所が多く,地層の走向や傾斜の測定に適したところは少ないのですが,この川原は傾いた地層も見られ,以前に高校の地学の参考所用の写真を撮りに出版社の方と来たこともあります。この日は前日の夜に降雨があったため水量が多いようです。

図1 玉野峡谷 庄内川
図2 城嶺橋と庄内川

このあたり一帯は,ジュラ紀付加体の美濃帯(上麻生ユニット)と呼ばれる砂岩や泥岩からできています。ハンマーが使えないので,きれいな露頭は見られませんでした(図3・図4)。
 玉野川堰堤や川に平行に流れる導水路も水量がかなりありました。紅葉目当ての観光客も多くいましたが,11月末にもかかわらず暖かいためか紅葉はまだまだの様でした(図6)

図3 美濃帯砂岩層
図4 美濃帯泥岩層
図5 玉野堰堤と導水路
図6 紅葉の様子

     日本の地形千景 愛知県:春日井市付近の地形変遷より
現在中央線は,川岸より上位を長いトンネルで通っています。

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