久しぶりに岐阜県恵那市岩村へ行き,少しですが地層の観察をしました。
岩村では花崗岩類,濃飛流紋岩類(溶結凝灰岩),新第三系瑞浪層群が見られます。10数回は歩いていますが,今回は,濃飛流紋岩類に花崗岩が貫入している露頭がどうなっているか見てきました。この露頭は,地表に堆積した濃飛流紋岩類に比較的地下深部で固まるといわれる花崗岩が貫入しているということで有名な露頭です。堆積当時の濃飛流紋岩類は高温だったと思いますが,そのような環境であれば花崗岩も地表で形成されることがわかったのです。花崗岩は「地下深部で形成」という説明が少し強調されなくなったと感じています。図1は最初に(1976年)観察したもので,濃飛流紋岩類に花崗岩が貫入していることがよくわかります。図2は今回(3度目)のものですが,砂礫や草に覆われ,護岸もされて観察しにくくなっていました。道路面付近には濃飛流紋岩類(溶結凝灰岩)がよく見られます(図3)。
岩村城にも上がってみました。713mの花崗閃緑岩の山の上のあった城です。登山道の途中には風化した花崗閃緑岩がところどころに顔を出しています(図4)。この城には山頂付近にも井戸があり,水が豊富に湧き出していたといわれます。風化した花崗閃緑岩が帯水層になっていたのだと推測されます。マサ化はしていませんが,数ミリ程度の細礫になっています(図5)。
新第三系の岩村層群中には鍾乳洞も見られます。小さなもので人は入れません。また,瑞浪層群を代表する暖海性の巻貝であるビカリヤ(化石)も何カ所かで見られます。クジラの化石も採集したことがあります。
なお,恵那市から岩村盆地に入るところにロックフィルダムの阿木川ダムがありますが,濃飛流紋岩類中につくられています。木曽川水系阿木川をせき止めたものです。
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