知多の地層を見てきました

記事
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

南知多町内海の北にある丘陵の頂部が平らに削られているという話を知人から聞き,出かけてきました。崖の麓部に沿って走る道路からは大きな露頭が連続しているのが見られます。その地層は師崎層群内海層の砂岩泥岩互層です。頂部に行くには北側から登ります。

図1 A地点で見られる平坦面
図2 位置図

この地域は,師崎層群内海層とその上に載る豊丘層の不整合面付近です。近藤・木村(1987)による報告では近く(図2の70)の豊丘層の地質柱状図があります(図3)。A地点は人為的に拓かれた土地ですが,師崎層群の最上部の地層面に沿って,上に載っていた豊丘層を削った平坦面と考えられます。工事後,2年ほど経つそうですが,崖側(西側)は平坦面に師崎層群の頂部の白色凝灰質泥岩があちこちに現れています。東側には背の高い草本が茂っています。この部分は,豊丘層最下部の砂礫層で,その砂礫層やシルト~泥層が残っているように見えます。鉄分によると思われる赤褐色をした部分が広くありますが,白色の泥質~シルト質の部分もところどころ見られます(図4・図5)。この部分は豊丘層の砂礫層の基質部が流出して堆積したと考えられます。この露頭では地点70で見られたという亜炭層は見られません。B地点はA地点に続く師崎層群の露頭です。内海層は比較的細かな砂岩泥岩互層が特徴です。

図3 地点70の模式柱状図
近藤・木村(1987)

図4 豊丘層のシルト~泥層
図5 豊丘層のシルト~泥質部
図6 師崎層群内海層の砂岩泥岩互層(地点B) 
図7 B地点 遠景 師崎層群内海層砂岩泥岩互層

引用文献 近藤善教・木村一朗,1987,師崎地域の地質.地域地質研究報告(5 万分の 1 地質図幅),地質調査所,93 p.

コメント

タイトルとURLをコピーしました